ジャパニーズウイスキー、結局どれを選ぶか迷った人へ|元バーテンが手に取り続けてきた8本
日本のウイスキー、種類が増えて選ぶのがますます難しい。元バーテンとして10年近くカウンターに立ってきた私が、今でも自宅の棚に置いて飲み続けている定番8本を、価格順に並べてみました。贈り物の参考にも。
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「日本のウイスキー、結局どれを買えばいいんですか」
バーで働いていた頃、お客さんから一番多くもらった質問のひとつがこれだった。最近はDMでも届く。気持ちはすごく分かる。山崎、白州、響、余市、宮城峡、知多……名前は聞いたことがあるけれど、値段もバラバラ、味もバラバラ、何を基準に選んでいいのか分からない。私も最初はそうだった。
この記事では、私が今でも普通に自宅の棚に置いて、普通に飲み続けている8本を並べてみる。「日本一」とか「これが正解」とかは言わない。あくまで、元バーテンの一個人として、長く付き合ってきた銘柄たちの話。贈り物の参考にもなると思うので、よければ最後まで読んでもらえれば。
選び方の前提:私の3つの基準
8本に入る前に、なぜこの8本を選んだのか、軽く前置きをさせてほしい。
ひとつ目は「ちゃんと手に入ること」。プレミア化して定価の何倍もするボトルは、いくら美味しくてもこの記事の趣旨と合わない。Amazonや酒屋で、実勢価格で買える範囲に絞っている。
ふたつ目は「最初の一口でつまずきにくいこと」。クセが強すぎず、かといって個性がないわけでもなく、「ジャパニーズウイスキーってこういう感じなんだ」と納得できる味わい。私が新人スタッフに最初に飲ませていたラインに近い。
みっつ目は「私自身がリピートしている」こと。仕事で扱っただけじゃなく、自腹でもう一本買ったことがある銘柄だけにした。これが一番大事かもしれない。
では、価格帯の低い順に1本ずつ。
1. ブラックニッカ ディープブレンド(実勢価格 約1,500円・700ml)
1,500円という価格で、これだけ「ウイスキーらしい厚み」が味わえる銘柄は貴重だと思う。
甘さよりも、樽の香ばしさが鼻に抜けて、余韻もそこそこ長い。ロックでもハイボールでも崩れない。「軽めの定番に少し飽きてきたかも」というタイミングで隣に置くと、ちょうどいいコントラストになる。
ニッカらしい、骨のある一本。家飲みのレギュラーに据えても、財布を痛めない。
2. サントリー 角瓶(実勢価格 約1,800円・700ml)
結局これに戻ってくる、という人は多いと思う。私もその一人。
香りはバニラと少しの蜂蜜、口に含むと甘さがふわっと来て、後味はすっと消えていく。ストレートで向き合うタイプではなく、ハイボールにして食事と合わせるのが本領。揚げ物にも、焼き鳥にも、刺身にすら馴染む懐の深さがある。
「ウイスキーをこれから飲んでみたい」と言われたら、私はまずこれを勧める。値段の安心感と、外さない味のバランスが、ちょうどいい。
3. サントリー 知多(実勢価格 約4,000円・700ml)
ここから少し価格が上がる。知多はグレーンウイスキーと呼ばれる、トウモロコシなどを主原料にしたタイプ。モルト主体のウイスキーに比べて、口当たりが軽くて甘い。
キャッチコピーが「風香るハイボール」なんだけど、これがけっこう的を射ていて、炭酸で割ると本当に風が吹くような軽さになる。和食、特に出汁のきいた料理と合わせると、ウイスキーの新しい一面を見られると思う。
「自宅でちょっといいハイボールを飲みたい」という人へのプレゼントにも、外しにくい一本。
4. ニッカ 宮城峡(実勢価格 約4,500円・700ml)
宮城峡は、ニッカのもう一つの蒸溜所。仙台の近くにある、こちらは華やかで穏やかな味わいが特徴。
りんごや桃を思わせるフルーティーな香りに、シェリー樽由来のほのかな甘さ。スモーキーさはほぼなく、シングルモルト初心者の人にも勧めやすい。
ストレートで時間をかけて香りを追ってみると、表情がゆっくり変わっていくのが楽しい。落ち着いた夜に向く一本。
5. ニッカ 余市(実勢価格 約6,000円・700ml)
北海道・余市蒸溜所の、骨太なシングルモルト。
甘さよりも、潮気と少しのスモーク、力強い樽香が前に出てくる。宮城峡の繊細さとはまったく違う方向性で、「ジャパニーズウイスキーは全部やわらかい」というイメージを、いい意味で裏切ってくれる一本。
ロックでゆっくり溶かしながら飲むと、香りが段々ほどけていって、これがまた楽しい。スコッチが好きな人にも、私はよくこれを勧めてきた。
6. サントリー 白州 シングルモルト(実勢価格 約7,000〜9,000円・700ml)
近年は手に入りにくい時期もあったが、最近はだいぶ流通が戻ってきた印象。
白州の特徴は森を思わせる青々しい香り。少しだけスモーキーで、口に含むとミントのような爽やかさが抜けていく。私はこれをソーダで割って、夏の夜に飲むのが昔からの習慣。
値段は安くないので、毎日飲むには勇気がいる。でも、特別な日に開けると「日本のウイスキーって、こういう繊細さがあるんだな」と素直に感じさせてくれる。
7. サントリー 山崎 シングルモルト(実勢価格 約8,000〜10,000円・700ml)
白州が「森」なら、山崎は「果実と樽」。
香りに洋梨や蜂蜜、口に含むとシェリー樽由来の少し赤みのある甘さが広がって、後味にビターチョコのようなニュアンスが残る。ストレートでゆっくり向き合うタイプのウイスキー。氷を一個だけ入れて、時間をかけて変化を追うのが私の好きな飲み方。
贈答用としても定番の一本。受け取った側が「あ、ちゃんとしたものだ」と分かる安心感がある。
8. 響 ジャパニーズハーモニー(実勢価格 約12,000〜15,000円・700ml)
最後はやはりこの一本。値段は張るけれど、日本のブレンデッドウイスキーを語る上で外せない銘柄だと私は思っている。
香りは華やかで、薔薇や白檀のニュアンス。口に含むと角がなく、いろんな樽の個性が綺麗に重なって、するすると喉に落ちていく。「丁寧に作られている」という言葉が、こんなに似合うウイスキーもなかなかない。
大切な人への贈り物、自分への節目のご褒美。そういう場面で開けると、たぶん記憶に残る一杯になる。
結びに:価格帯を一段ずつ上げていく
8本を並べてみて、改めて思うのは、ジャパニーズウイスキーは価格帯ごとに役割が違うということ。ディープブレンドや角瓶は日々の食卓のお供。知多や宮城峡は週末のゆったりした時間に。山崎や響は、特別な夜のために。
もし今、最初の一本に迷っているなら、まずはディープブレンドか角瓶。そこから「もう少し違う味も飲んでみたい」と思えたら、知多や宮城峡に進む。さらに踏み込みたくなったら白州か山崎。そんな順番で価格帯を一段ずつ上げていくと、自分の好みが自然と分かってくると思う。
正解はない。私のおすすめも、あくまで一個人の感覚。それでも、この8本のどれかが、あなたの「お気に入りの一本」を見つけるきっかけになれば、これ以上嬉しいことはない。
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